2017年の1月1日に、ポーラからリンクルショットが発売され、それ以来、
2017年は「シワ改善元年」と言われるほど、
化粧品でシワを改善するということが非常に注目された一年でした。
それに伴い、有名化粧品メーカーはこぞってシワ改善の化粧品を発表したわけですが、
最注目された有効美容成分の一つに「レチノール」という成分があります。
そのせいで、レチノールのスキンケア市場における認知度は高まったわけですが、
その反面、どんな成分かも考えずに使用しすぎてしまったために逆に肌トラブルを起こしてしまう例も
かなりの数になっているようです。
ここではレチノールについて、
化粧品を使用するあなたが知識として持っていなければならない情報を
しっかりと説明します。
ですので、
「レチノールや、レチノール化粧品についてよく分からないわ。」
という方がいらっしゃいましたら、
しっかりと最後まで目を通していただくのが良いかと思われます。
レチノールは、ズバリビタミンAの一種です
まず、レチノールを一言で説明するなら、
「レチノールはビタミンA(の一種)です!」
ということになります。
ケースによっては、狭義にレチノールのことをビタミンAという場合もあります。
ここまでは、知っている方も多いと思います。
しかし、ここではさらにビタミンAには大きく分けて5種類あるということを
知識として入れていただきたいと思います。
①パルミチン酸レチノール | ②酢酸レチノール | ③レチノール | ④レチナール | ⑤レチノイン酸 | |
---|---|---|---|---|---|
皮膚への刺激性 | ☆ | ☆☆ | ☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆☆☆ |
皮膚への浸透性 | ☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆ | ☆☆ | ☆☆☆ |
皮膚への安定性 | ☆☆☆☆☆ | ☆☆☆☆☆ | ☆ | ☆ |
先に5種類を表にまとめました。
①パルミチン酸レチノール
①のパルミチン酸レチノールは俗に言う、「レチノール誘導体」のひとつです。
水には溶けず、オイルや、アルコールの中に溶解します。
とろみのある油性の成分のため、「レチノール油」と表現される場合もあります。
このパルミチン酸レチノールは、レチノール誘導体の中でも皮膚への刺激が最も少なく、
ビタミンA5種類の中で最も安定性が高いことから、多くの化粧品会社が、美容成分として使用しています。
パルミチン酸レチノールは真皮にある、コラーゲンや、エラスチンの生成スピードを促進させると言われています。
ですので、紫外線による光老化が原因の黄ぐすみやしわ、
乾燥由来の子シワ、加齢による自然老化によるシワなどに
効果があると言われており、油性成分のために、テクスチャーにとろみがある美容液や、
クリームなどに混ぜて販売されています。
特にこのパルミチン酸レチノールは目元用のアイクリームなどに含まれていることが多いです。
ただし、見てわかる通り、
このパルミチン酸レチノールは非常に浸透性が悪いのです。
真皮のコラーゲンやエラスチンの生成を促進させることができても、浸透性が悪いために結局、
表皮止まりの効果になってしまいがちなのです。
そのため、全体的な効果としては、
「パルミチン酸レチノールが含まれている化粧品」を使って、
大きく肌が改善されたりといった効果を望むのは難しいようです。
しかし、皮膚への刺激が相対的に弱いといっても、
2013年12月5日に第一三共ヘルスケアがパルミチン酸レチノールを配合した
エイジング化粧品「ダーマエナジー」が、肌トラブル、苦情が続出したために販売停止になるといった
事例も過去にあることを知っておいてください。
(特にパルミチン酸レチノールを高配合した美容液が原因の可能性が高かったそうです。
実数でいうと、いずれかのトライアルセットを試したユーザー約85000人のうち、
273人が肌トラブルを生じて医療機関を受診したそうです。)
大手の製薬会社が販売しているからと、全てを信じて何も考えずに使用することは危険なことなのです。
ですから、まずはキチンとあなた自身で正しい知識を身につけることが何より重要です。
②酢酸レチノール
酢酸レチノールは、不安定で劣化しやすいレチノールに酢酸を結合させることによって、安定性を確保した
レチノール誘導体の成分です。
同じレチノール誘導体の①パルミチン酸レチノールと比較して、パルミチン酸レチノールの方が安定性は高いです。
しかし、②酢酸レチノールの方が浸透性が抜群に優れているため、
効果が高いことで有名です。
乾燥などからくる小ジワなどに効果を発揮しますが、相対的に①のパルミチン酸よりも、酢酸レチノールの方が
効果は高いです。
その分、後ほど説明する副作用のレチノイド反応が起きるリスクも高まるというデメリットもあります。
③レチノール
そして、3番目の(ピュア)レチノールはビーグレンのレチノAにも含まれている誘導体なしの純粋なレチノールです。
このピュアレチノールは、資生堂のシワ改善化粧品のリンクルクリームでも使用されて認知度が上がりました。
ピュアレチノール(純粋レチノール)はとにかく即効性があり、効果が高いのです。
このピュアレチノールの良い点・悪い点をまとめます。
ピュアレチノールの良い点
- 即効性が高い
- ヒアルロン酸、コラーゲンを増加させる
- ターンオーバーを正常化させる
ピュアレチノールの悪い点
- 成分が非常に不安定で、劣化しやすい
- 肌への刺激が強い
- 真皮への働きが十分ではない
このピュアレチノールこそが、シワの改善などで非常に注目されてるわけですが、非常に不安定であり、
資生堂のリンクルクリームなどは、なるべく安定して劣化を防いで使用できるために、
容器を徹底的にこだわって作成したと言われています。
このピュアレチノールはその不安定のために、高度な技術力がないと商品化することさえできない成分であるために
一般的に市販の化粧品などに含まれるようなことはまずありません。
ピュアレチノールを安定して商品として使用しているのは、数えるほどしかありません。
ちなみに、ビーグレンのQuSomeレチノAは、このピュアレチノールの
「肌への刺激が強い」、「成分の安定性が悪い」というデメリットを
特許技術のQuSome技術で、レチノールをナノカプセルで包むことにより、
見事に解決しています。
また、十分でない真皮への働きは、レチノイン酸トコフェリルという成分でカバーしています。
(レチノイン酸トコフェリルはコラーゲンを増やして、深いシワを改善する成分です。)
④レチナール
レチノールが酸化してアルデヒドとなったものであり、特に化粧品を使用する上で必要な知識はありません。
⑤レチノイン酸
レチノイン酸は、化粧品には含むことができない成分であり、皮膚科など病院へ行って、
医師から処方してもらわないと手に入れることができない成分です。
凄まじく効果は高いですが、刺激がとても強く、副作用も非常に大きくなります。
病院へ行っても、承諾書を書かされた上での処方となるようです。
肌の赤みが出てしまったり、肌荒れ、乾燥、皮がむけてしまうなどのリスクが伴うため、
医師の指導のもとで使用しないといけない成分です。
安定性も非常に悪く、処方された際も、「冷暗所に一ヶ月」など、非常に短い期間の消費期限となっているようです。
レチノイン酸は、本当に深刻なニキビやシワなどの皮膚のトラブルなど以外には使用しません。
参考までに知識として知っておきましょう。
レチノール化粧品の副作用のレチノイド反応を正しく理解する
さて、レチノール化粧品の副作用について説明を挟みましたが、
具体的にはどのような仕組みで、どのような症状が出るのでしょうか?
レチノイド反応とは、ビタミンAが不足した肌に大量のビタミンAが流れ込むと
肌のターンオーバー(新陳代謝)が一気に促進されて、稀に赤みが出たり、
皮がむけたり、乾燥した感じになったり、かゆみが出たりする反応のことです。
レチノイド反応自身は、特にアレルギー反応だったり、毒性の反応であったりというわけではありません。
ほとんどの場合は、皮膚がビタミンAに慣れていくに従い一週間ほどで治っていきます。
基本的には、このレチノイド反応が出てしまった場合は、
ビタミンAが非常に不足してしまっているためである場合が多いです。
ですので、レチノイド反応が収まった後の肌は、ビタミンAがしっかりと保たれているために、
肌の状態がとても良くなる場合が多いです。
最初に、レチノイド反応が出てしまった場合は、びっくりしてしまいますが、
レチノイド反応であれば、一週間ほどで収まってくるので、
一旦、レチノール化粧品の使用はストップして、
お肌の様子を見ましょう。
安易に「これはレチノイド反応ね。」と決め付けたりはせずに
症状が強かったり、長引いてしまったりした場合は
皮膚科に行って一度診察してもらいましょう。
このような事態になることもゼロではありません。
以上のことから、レチノール化粧品を使用する始めは、トライアルセットのような
試供品から使用を開始してみることが重要となってきます。
ビーグレン化粧品などでもトライアルセットが用意されています。
万が一肌に合わないとしても返金対応などが充実していますので、
急に本製品を買って、
金銭的にも健康的にも失敗しないようにまずはトライアルセットで
自分の肌に合うか試してみることも大切なようです。
あなたのお肌がどんどん良くなっていくことを心よりお祈りします!